「ここに消えない会話がある」 山崎ナオコーラ ★★★☆☆
私の人生を構成しているもの
【内容】
恋人でも、友達でもない、たまたま集まった職場の同僚たち…「ここに消えない会話がある」。ずっと好きだった先輩の退職前、最初で最後の二人きりのデート…「ああ、懐かしの肌色クレヨン」。いま隣にいる誰かとの、二度と訪れないかけがえのない時間を描いた作品集。
【感想】
特に何も起きない。小説なのに何もおきない。
僕らは、小説やTV・映画によって「人生を彩るのは劇的な出来事だ」と半ば洗脳されている。
でも、実際の世界ではそんなドラマチックなことは起きない。起きたとしても当事者としてはそれが普通だから、何も起きないと感じてしまう。
今作品はそんな何も起きないけど、周りの人々と話すことがいかに大切かを訴えかけてくれる。
【引用】
・生きるのが面倒なのは、不幸だからではなく、生半可な幸せと堪えられそうな不幸が交互に訪れるからではないだろうか。
・先に続く仕事や、実りのある恋人だけが、人間を成熟へと向かわせるわけではない。ストーリーからこぼれる会話が人生を作るのだ。



